ボクシングは観る能力が重要です。
いきなりボクシングと違う話ですが、日本一有名なプロ野球選手としてお馴染み、元メジャーリーガーのイチロー選手は、卓越した動体視力を持っています。
とある動体視力テストにて、コンピューターの画面にわずか0.1秒だけ表示される8桁の数字を答えるというテストを行ったところ、平均の正解数が大体4桁ほどだったのに対し、イチロー選手はなんと連続で6桁から7桁の数字を言い当て続けたそうです。
アスリートが一般人と一線を画す能力は多々ありますが、その中でも『観る』能力については天と地ほどの差があります。
さらに、ボクシング選手などの格闘家はアスリートの中でも格別に『観る』能力に優れています。
そんな格闘家でも特に動体視力に秀でていた選手として、『ザ・グレーテスト』という異名でも知られている、ボクシング元世界ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリ氏が挙げられます。
彼のスタイルは「蝶のように舞い、蜂のように刺す(Float like a butterfly, sting like a bee)」という、ヘビー級とは思えない軽やかなフットワークとハンドスピードでボクシング世界チャンピオンに君臨し、一世を風靡しました。
彼のボクシングの動画はYouTubeにも挙げられていますが、卓越した動体視力と反射神経を持っているのが一目で分かります。
相手選手の獣のような連撃を、まるで柳の枝葉のようにいなし、躱し、難なくカウンターをヒットさせています。
『観る』能力に関しては、ボクシングの歴史の中でも最高レベルを誇るボクサーと言って間違いないでしょう。
そして、さらにスゴいのは、塩田剛三氏です。
あまり、この名前を聞いた事の無い人も多いかもしれませんね。
彼はボクシングではないのですが『格闘技の神様』とも呼ばれた最高峰の格闘家で、合気道を極めた人物と言っても過言ではない方です。
あの『グラップラー刃牙』シリーズに登場する、渋川剛気のモデルにもなっています。
彼の『観る』能力を象徴する有名なエピソードがあります。
彼は反射神経を鍛える為に8年間、金魚鉢を叩き、それに驚いた金魚の動きに反応して自らも動くという訓練を欠かさず行ってきました。
そんなある日、彼は車に轢かれそうになります。死角から車が飛び出してきて、あわや衝突というところでしたが、彼は無事でした。
なんと彼は超人的な反射神経で、車体の上に乗っていたのです。
勿論、塩田剛三氏もモハメド・アリ氏も、膨大な積み重ねの上に手に入れた境地なのでしょうが、一般人からしてみると、もはや予知能力でもあるんじゃないかと思ってしまうレベルの能力。
いったい彼らの目には、どんな景色が映っているのか気になるばかりです。
観る能力を鍛えるビジョントレーニング
最近は観る能力を鍛えるビジョントレーニングというものも一般化してきています。
動体視力を鍛えるということですね。
有名なものはボードにボタンがたくさんついていて、光ったボタンを素早くタッチするというトレーニングですね。
テレビ番組などでも見たことがあるかと思います。
他にもいろんなバリエーションで観る能力を鍛えることができます。
本格的なビジョントレーニングの設備が揃っている施設もありますのでぜひ一度行ってみてはいかがでしょうか?
これを始めてからボクシングでパンチを避けれるようになったという選手もいます。
また、ボクシングの場合はよけるだけでなく相手にパンチを当てる際にも観る能力は重要です。
日常生活でもできる、観る能力を鍛える方法もあります。
例えば先ほど動体視力がすごいと紹介したイチローさんは、子どものころから走っている車のナンバープレートを読んでいたそうです。
さらにナンバープレートの右2ケタと左2ケタの数字で足し算をして頭の回転も鍛えていたなんて話も聞いたことがあります。
実はパンチは見て避けていない?
ここまでボクシングにおいて観る能力が重要!
ボクシング世界チャンピオンの観る能力は凄い!
という話をしてきましたが、ボクシングにおいて相手のパンチを見て避けるというのは不可能だそうです。
!!?
「今までの話はなんだったの!?」と思いつつ、「でも実際ボクシング世界チャンピオンクラスの選手は相手のパンチを避けてるじゃん」という事実もありますよね。
えっとつまり…どういう能力?
これは正確にはパンチを見て避けているのではなく、パンチがきそうな動きを見て避けているのだそうです。
素人のパンチがボクシング経験者に当たらないのはパンチのスピードというよりは「今からパンチを打ってくるな」というのが分かってしまうからなんですね。
このあたりは観る能力に加えて、長年の経験やカンも大きく影響してきます。
コメントをお書きください