ムエタイやキックボクシングなどにおいて、ミドルキックやローキックよりも重要な技が存在しています。
それは『前蹴り』です。
前蹴りは相手との距離を離したり、牽制する際によく使われる技です。
特にムエタイ選手なんかがこの技術が巧みで、過去には日本のキックボクサーも前蹴りだけで試合の主導権を握っていたこともあるくらいです。
僕もキックボクシングの試合を観ていてムエタイの選手がほぼ前蹴りだけで勝利したのを観て「すげえ!」と思うのと同時に「強すぎてずるくない!?キックボクシングやなくて前蹴り選手権やん!」と思った記憶があります。
そんな前蹴りは、簡単そうに見えて実は奥の深い技術なのです。
この前蹴りをマスターすることで、キックボクシングの実力はメキメキ伸びてくると言っても過言ではありません。
あまり大きな声では言えませんが、ストリートファイトは前蹴りだけで勝てるとおっしゃっている先生もいるくらいです。
キックボクシングで前蹴りを使うメリット
キックボクシングにおいて、なぜ前蹴りが有効なのでしょうか?
前蹴りを使うとどんな効果があるのか?
そのメリットについて解説します。
相手との距離を離す
やはり基本的には相手との距離を離すために使われることが多いです。
相手のリズムを崩す
前蹴りを使うタイミングによってさらに有効な使い方もできます。
例えば相手がミドルキックやパンチを打つために踏み込んできたところにタイミングよく前蹴りを使います。
それだけで相手のリズムを崩すことができます。
ジャストなタイミングで前蹴りを出せば、そのまま相手がこけることもありますよ。
足腰へダメージを与える
キックボクシングにおいて顔面への打撃と比べると一撃のダメージはそこまで高くはありませんが、多く当てるとかなりのダメージが足腰に溜まります。
そのため蹴られた側は攻めることをためらいがちになるので、試合の主導権を握るのに絶好の技として多用できます。
前蹴りの蹴り方
キックボクシングにおいて前蹴りが有用なことが分かっていただけたと思います。
ではここからは前蹴りの蹴り方について。
基本的な前蹴りと、ほかのバリエーションも合わせてご紹介します。
基本的な前蹴り
前蹴りは前足底と呼ばれる部位で蹴ることが基本となります。
前足底とは、背伸びをしたときに地面を押しているつま先寄りの足裏の部位です。
この前足底で相手のボディを押すように蹴ることが基本的な前蹴りの方法となります。
バリエーション
キックボクシングにおいて前蹴りは主にお腹付近を蹴ることが多いですが、他にも顔面や膝付近へ前蹴りを放つパターンもあります。
膝への前蹴りは、ルールによっては反則技となります。
関節を蹴られるとケガのリスクが非常に高いのが禁止される理由ですね。
また、厳密には前蹴りではないのですが、親指の付け根を相手に当てる三日月蹴りというものもあります。
前蹴りの練習方法
ここからはキックボクシングで使える前蹴りを身につける為の練習方法について解説。
上から順番に練習していきましょう。
シャドーボクシング
まずは鏡を見ながらシャドーボクシングで前蹴りのフォームチェック。
足を前に押し出すイメージです。
また、前蹴りをしてそのまま身体も前に倒れてしまうと反撃を受けてしまいます。
前蹴りのあとにしっかりと元の体制に戻れるように練習しましょう。
サンドバッグ
シャドーボクシングでフォームを練習したら実際にサンドバッグを蹴ってみましょう。
サンドバッグの重さに負けないようにしっかりと体幹を安定させて前蹴りを放ちます。
ミット打ち
サンドバッグで前蹴りを練習したら今度はミット打ちで動く相手への前蹴りです。
対象が止まっているのと動いているのとでは難易度は段違い。
しっかりと動きを見極めて前蹴りを放ちましょう。
前蹴りに対するディフェンス
ここまで前蹴りについてお話してきましたが、キックボクシングにおいて前蹴りが効果的ということは対戦相手が前蹴りを使ってくる可能性も高いということです。
相手が前蹴りをしてきたときの対処法も紹介しておきます。
ひとつは相手の前蹴りを手で払う方法。
さばく、という言い方をしたりもしますね。
相手の足首あたりを払いのけることで蹴りの軌道を変えます。
もうひとつは避ける方法。
バックステップといって後ろに飛んだり、その場でお尻を後ろに引くようにしてかわしたりします。
どちらも相手の前蹴りが届かないように距離を離すということですね。
いかがでしたでしょうか。
今回の記事ではキックボクシングにおける前蹴りについて解説しました。
ボクシングテクニックと組み合せて、離れた相手には前蹴り、近付いてきたらパンチで、とできれば最強ですね!
みなさんも前蹴りを練習してキックボクシングの戦いの幅を広げていきましょう!
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