今キックボクシングでの皇治選手のバッティング問題が話題になっています。
6月27日に行われた『RIZIN.29』にてキックボクシングのナンナイトトーナメントが行われました。
つまり一夜でキックボクシングの優勝者を決める大会で出場者は4人。
そのため2連勝することで優勝となります。
(2連勝で優勝というのはトーナメントというには少し小規模な気もしますが…まあそこは置いといて…笑)
キックボクシングのワンナイトトーナメントはなにが起こるか分からないのが面白いところです。
優勝間違いなしと言われた選手が1回戦で疲労してしまった結果2回戦で格下の相手に思わぬ敗北をしてしまったり、逆に次の試合を見据えて体力温存した結果1回戦で判定負けを喫してしまったり。
とにかくなにが起こるかわからないのがキックボクシングのワンナイトトーナメントなのです。
そして1回戦でさっそくその『なにが起こるかわからない』が起こってしまいます。
それも大番狂わせなどではない、また別の予想外の形で問題の出来事が発生してしまうのです。
今回のバッティング問題のいきさつ
まず1回戦の皇治対梅野源治戦の開始早々、皇治選手が間合いを詰めた際に皇治選手の頭が梅野選手の顔面を直撃し、試合がストップしてしまいます。
一度RIZINのキックボクシングルールをおさらいしておきましょう。
バッティング(いわゆる頭突き)はルール上有効打とはならず、故意の場合は反則行為となります。
今回は『偶然のバッティング』というジャッジが下されました。
しかし残念ながら梅野選手はそのまま試合続行不可能となり、試合はノーコンテストとなってしまいました。
通常の試合ならこれで終わりなのですが、今回はワンナイトトーナメントなので数時間後には決勝戦があります。
そのため誰が勝ちあがるのかを決める必要があるのですが、今回は皇治選手の決勝進出が決定しました。
梅野選手が救急搬送となってしまったためです。
ということで結果として、皇治選手は偶然とはいえバッティングで相手を倒して決勝に進出するということになってしまったのです。
キックボクシングトーナメントの結果
そんな流れで皇治選手はこのキックボクシングワンナイトトーナメントで不本意ながら決勝進出となったわけですが、これだけならそこまでの騒動にはなっていなかったかもしれません。
先にこのトーナメントの結果を言ってしまうと、決勝では白鳥大珠選手が皇治選手を判定で下し見事優勝を果たします。
しかし皇治選手はこの試合でも二度のバッティングをしてしまったのです。
一試合だけならともかく二試合連続でとなると、さすがにファンも黙ってはいませんよね。
このせいで皇治選手は自身の評価を大きく下げるとともにRIZINという団体に対しての信用にも傷がつくものとなってしまいました。
皇治という選手
さてここで一度、皇治選手とはどんな選手なのか分析していきましょう。
皇治選手は2020年にK-1からRIZINへ移籍。
選手のタイプとしてはインファイタータイプでどんどん前に出て相手との距離を詰めて戦います。
いくらパンチをもらってもあきらめずに前に出続けるその姿から多くのファンを魅了する人気ファイターです。
ですが今回に関してはその気持ちの強さが裏目に出てしまったような感じでしょう。
前に出ようとする際はおでこあたりにグローブを置いてしっかりガードを固め、あごを引いた体制をとります。
これは相手から多少パンチをもらってもいいから前へ出る、しかしダメージは最小限に抑えるためです。
そうすると頭を相手の顔に向けるような状態になるためバッティングは起こりやすくなります。
特に自分より相手の方が身長が高い場合に起きやすいですね。
今回の試合でも相手の懐にもぐりこんだタイミングでバッティングが発生してしまいました。
今回の騒動が大きくなった原因としては皇治選手のキャラクターもあるでしょう。
皇治選手は「いかに観ているみんなを楽しませるか」を考えている選手で、試合前のインタビューなどでもビッグマウスな発言が多かったりとなにかと話題の中心にいることが多くあります。
そのため皇治選手の試合は注目を集めやすく、そしてファンもアンチも多い、そんな選手です。
今回のキックボクシングワンナイトトーナメントも、そんな皇治選手が出るということで注目が高まっていました。
「皇治は今回どんな試合をしてくれるんだろう」そう期待していたファンも多かったはず。
その結果が度重なるバッティングということで、今回はこんな騒動になってしまいました。
試合後のまわりの声
今回のRIZINキックボクシングワンナイトトーナメントでの皇治選手のバッティングに関して、批判の声も擁護の声も聞かれます。
キックボクシング界のレジェンドでもある魔裟斗さんが自身のYouTubeで皇治選手を擁護し、それに対して白鳥選手がTwitterで不満を表す…なんてこともありました。
バッティングはわざとなのか?偶然なのか?
真実がどうなのかは実際に戦った選手のみぞ知る、といったところではないでしょうか。
故意かどうかはさておき、このキックボクシングワンナイトトーナメントにおけるRIZINの対応への疑問を投げかける声もあります。
それは一回戦でノーコンテストとなったのに皇治選手が決勝戦へと進んだこと。
他団体などではこういったワンデイトーナメント(一日で行うトーナメント)の場合『リザーバー』を用意することも多いです。
『リザーバー』とは緊急時の代理出場選手のことで、トーナメント出場選手がケガなどのアクシデントに見舞われたときに代わりに出場する選手のことです。
ですが今回のRIZINキックボクシングワンナイトトーナメントではリザーバーは用意されていませんでした。
リザーバーが用意されていればバッティングをしてしまった皇治選手が決勝に進むことはなかったのに、ということですね。
今後RIZINにてまたキックボクシングのワンデイトーナメントがあるときはどんな大会ルールになっているか気になるところです。
キックボクシングはケンカではなくあくまで格闘技なのでしっかりとしたルールが存在します。
ルールの中で戦いどちらが勝っても爽やかに終われるような試合を観たいものですね。
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