ボクシングにおける複数階級制覇とはどういった意味なのかご存知でしょうか?
よくスポーツニュースなどで有名なボクシングの選手が「2階級制覇達成!」とか「3階級制覇達成!」という言葉を耳にしますよね。
でも実はどういう意味かよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
これはプロボクシングにおいて異なる階級でチャンピオンになったという意味です。
例えばフライ級でチャンピオンになった後にスーパーフライ級でもチャンピオンになれば2階級制覇、さらにバンタム級でもチャンピオンになれば3階級制覇ということになります。
ちなみにこれは複数階級同時にチャンピオンでいる必要はないので、例えばフライ級の王座を返上あるいは敗北して王座陥落した場合でもその後スーパーフライ級でチャンピオンになれば2階級制覇となります。
なぜこの複数階級制覇というのがすごいのかというとボクシングは階級による影響が大きいスポーツであるということです。
階級が上がるというのは体重が重くなるということですが、つまりそれに比例するように平均身長や腕のリーチも高く長くなります。
実際に体験すると分かりますが自分より身長が高い相手、リーチが長い相手と戦うのはそれだけでも不利になります。
上から打ちおろされるパンチは効きますが、逆にこちらのパンチは相手の顔面に届きません。
相手のジャブは届く距離でもこちらのジャブは届かない。
階級を上げるにつれ相手がこれまでの相手より高身長で長いリーチの相手になることはあっても、自分の身長が伸びたり腕が長くなることはありません。
そのためボクシングで階級を上げてそのたび結果を残すのは本当にすごいことなのです。
昔はこういった複数階級制覇を目指すボクサーは多くありませんでした。
ですが最近は同じ階級でずっと防衛を続けることよりも、複数階級制覇するほうが評価される傾向がありますね。
ボクシングではこの複数階級制覇というのはよく聞きますが、キックボクシングや総合格闘技ではあまり聞きませんね。
ボクシング複数階級制覇の世界記録
このボクシングの複数階級制覇、世界記録はなん階級制覇なのでしょうか?
記録保持者はオスカー・デ・ラ・ホーヤさんとマニー・パッキャオさんで、記録はなんと6階級制覇!!!
ちなみにこの内訳はというと、デラホーヤさんはスーパーフェザー級からひとつずつ階級を上げていきミドル級までの6階級で世界チャンピオンになりました。
これももちろんすごいのですが、パッキャオさんはさらにすごいです。
6階級制覇という記録は同じなのですが、ちょくちょく「飛び級」しているのです。
最初世界チャンピオンになったのはフライ級なので、ふつうはひとつ上のスーパーフライ級に挑戦するものです。
ですがパッキャオさんは一気に3階級上げてスーパーバンタム級で世界チャンピオンになったのです。
こんな感じでパッキャオさんは6階級制覇しながらも、その間に世界チャンピオンになっていない階級が4つあります。
最終的にはスーパーウェルター級でチャンピオンになっているので、最初のフライ級から9つも階級を上げていることになります。
その差なんと約20kg。
ボクシングにおいて20kgというのは本当に…とんでもない記録ですよね。
余談ですが、パッキャオさんは8階級制覇と言われることもあります。
一般的に複数階級制覇の記録は主要4団体のみで数えられるのですが、パッキャオさんはそれ以外の団体でも世界チャンピオンになったことがあります。
それを含めると8階級制覇になるということですね。意味わかんないですね。バケモンですね。まさにボクシング界のレジェンドです。
日本人の複数階級制覇記録
ちなみに日本人でボクシングの複数階級制覇の記録を持っているのは井岡一翔選手の4階級制覇です。
ミニマム級~スーパーフライ級の4階級で世界チャンピオンになっています。
3階級制覇を達成しているボクサーは亀田興毅さんや長谷川穂積さんもいますが、4階級制覇は井岡一翔選手ただ1人です。
現役選手では井上尚弥選手と田中恒成選手が3階級制覇を達成しています。
現在の日本ボクシング界を引っ張るこの3人。
もしかしたら今後この3人がさらに記録を伸ばしてくれるかもしれませんね。
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