ボクシングのトレーナーになるために資格は必要なのか?
また、求められるのはどんな能力なのか?解説していきます。
ボクシングのトレーナーというと、一般的にはプロボクサーを指導するトレーナーのことを指します。
複数人のボクサーを指導することもあれば、有望なボクサーの場合は完全専属でトレーナーが指導することもあります。
そのボクサーの特徴などを把握し、どこを伸ばしていくのか方針を決め、専用メニューを作成し、練習を指導します。
また、次の対戦相手を研究し対策方法を考えたりもします。
こういったプロボクシングのトレーナーになるには「トレーナーライセンス」という資格が必要となります。
トレーナーライセンスを取得する方法ですが、筆記試験や実技試験が必要なわけではありません。
流れとしては
1.JBC(日本ボクシングコミッション)に加盟しているボクシングジムに所属し練習をする
2.ボクシングジム会長の指導のもとトレーナーとして活動する
3.会長のOKサインが出たらライセンス申請書を提出する
これでトレーナーライセンスが発行されます。
正式にトレーナーライセンスが発行され、担当のボクサーにつくようになるとそのボクサーの試合のセコンドにつくことができるようになります。
また、担当ボクサーのファイトマネーの一部を給料としてもらうことができます。
普段の給料はやはり所属するボクシングジムによっておおきく変わります。
人気ボクサーが多いジムならばそのぶん興行収入も多くジムが儲かるので給料も増えます。
ですがそうでなければ給料も少なくなってしまいますね。
トレーナーライセンスを発行するためにボクシングの実績などは問われません。
そのためプロボクシングで実績がない、あるいは元々ボクシング未経験の人でもプロボクシングのトレーナーライセンスを取得することは可能です。
ただ、所属するボクシングジム会長の許可が出なければトレーナーライセンスは発行できませんので、どれだけ熱意があっても会長に「ボクシングの実績がある奴にしか許可は出さん!」と言われてしまったらどうしようもないですね…。
実情としては、やはりそのボクシングジムでプロボクサーとして活躍していた人が引退してそのままトレーナーに、というパターンが多いようですね。
引退してから普通の会社員になるのは少し難しかったり、あるいは「引退してもボクシングに関わる仕事をしたい」という人も多いですからね。
多くプロ選手を抱える有名なボクシングジムであればあるほど、トレーナーも元チャンピオンなどすごい実績をあげている人が多くなります。
最近だと元世界チャンピオンの八重樫東さんや亀田興毅さんなどもトレーナーライセンスを取得していますね。
フィットネス系のボクシングトレーナー
「じゃあボクシング未経験の僕が今からボクシングのトレーナーを目指すのは難しいのかなあ…」
そう思った方は一般の方向けのボクシングトレーナーを目指すのはいかがでしょうか?
なにもボクシングジムに通っているのはプロボクサーだけではありません。
ダイエットや運動不足解消などの目的で趣味としてボクシングを楽しんでいる方も大勢いらっしゃいます。
そういう方を指導する場合は上記のようなトレーナーライセンスは必要ありません。
アルバイトスタッフとして求人を出している場合も多くあります。
明確な分け方があるわけではありませんが、プロボクサーを教えるのがトレーナー・一般の方を教えるのはインストラクターと呼ばれる場合が多いですね。
ボクシングジムの一般会員様のトレーナー
先ほど軽く触れた、一般会員様の指導をおこなうボクシングトレーナーです。
プロボクサーの目的は強くなることですが、一般の方はけしてそうではありません。
そのためトレーナーとして求められる能力も少し違ってきます。
例えば『ボクシングは観たことないし興味もないけどダイエットにいいと聞いたから始めた女性』の場合、どうすれば強くなれるかなんて興味はありません。
「手だけでなく足・腰すべてを使ってパンチを打てば強いパンチが打てます!」なんて言ってもこの方の心には響きません。
この方にとって重要なのはそれをやることがダイエットに効果があるのかどうかです。
言い方を変えて「手だけでなく足・腰すべてを使ってパンチを打てば消費カロリーが増えて痩せる」「ウエストが引き締まる」と伝えれば「よし!がんばるぞ!」となってくれるわけです。
やることが同じでもその方の目的によって伝え方・指導の仕方は変わってくるわけですね。
また、モチベーションの上げ方なども変わってきますね。
「甘えるな!そんなんだから世界チャンピオンになれないんだ!」みたいな感じで「そんなんだから痩せないんだ!」と言ってしまうと退会者続出でしょう(なかには自分に甘いから厳しくしてほしいという方もいますが)
続けられるように褒めてあげるのも大切です(褒めるのとお世辞は違いますよ!)
ボクシングが強くてもこういった接客が苦手というトレーナーも多いので、ボクシングの実績がなくても一般の方に人気のトレーナーになるのは十分可能です。
ボクシング系パーソナルトレーナー
「ボクシングはやってみたいけどボクシングジムは雰囲気も男臭そうだしちょっと抵抗がある」
そんな方に需要があるのがボクシング系のパーソナルジムです。
パーソナルトレーナーとして活動するには正しい知識が必要ですししっかりと勉強する必要があります。
必要な資格に関してはジムによっても異なりますが(ボクシングではなく筋トレのトレーナー資格が必要な場合がほとんど)、自分自身で開業するぶんには資格はなくても可能です。
客層としてはダイエットや運動不足解消が目的の方が多いですね。
店舗を構えるのではなく、ボクシンググローブとパンチミットを持ち運んで出張パーソナルトレーナーをしている人もいます。
スタジオレッスンのインストラクター
直接的なボクシングの指導ではありませんが、格闘技系のスタジオレッスンをおこなうというのもあります。
音楽に合わせて身体を動かすいわゆるボクシングエクササイズですね。
主にスポーツジムのスタジオなどでおこなわれています。
これは聞いた話ですが、『ボクシングの正しいパンチとボクシングエクササイズの正しいパンチ』の打ち方は違うようですね。
ボクシング歴の長い方がボクシングエクササイズの研修にいった際にパンチの打ち方を修正されたのだとか…。
「えっ、僕ずっとボクシングやってたんですけど…」ってなったそうです。
ボクシング歴が長いと動きが身体に染みついているぶん、矯正するのが大変かもしれません。
最近ではインストラクターの掛け声に合わせてパンチする暗闇サンドバッグジムなども増えてきていますね。
まとめ
ボクシングのトレーナーになるにはプロボクサー相手なのか一般の方相手なのかで必要な資格も求められる能力も大きく変わります。
自分自身の得意分野に合わせて挑戦するのもいいでしょう。
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