ボクシングでグローブタッチってありますよね。
あの、ボクシングのラウンド開始直後に「よろしくお願いしまーす」って感じでグローブ合わせるヤツです。
あれ実は別にやってもやらなくてもいいって知ってました?
ボクシングの試合が始まってゴングがカーン!と鳴ったらこのグローブタッチをするわけですが、グローブタッチをするフリをして思いっきりドーン!とパンチをしてもいいわけです!
え?そんなのズルい?いやいやルールには則ってますよ!
それでKO決着になったとしてもボクシングルールは破っていないので勝ち負けが取り消しになることもありません。
とはいえボクシングのルール的にOKだとしても本当にそんなことした人はいたんでしょうか?
…ちょっと調べてみたんですがボクシングでグローブタッチするフリをして不意打ちドーン!はなかなか見つからず…。
秒殺KOなどはそもそもお互いグローブタッチをしようともしてなかったりすることが多いですね。
動画を探すとボクシングよりキックボクシングや総合格闘技の映像が多く出てきますが、ゴングが鳴った瞬間思いっきり飛び掛かって~みたいなのが多いですね。
ボクシングにおけるグローブタッチのルール
ではこのボクシングにおけるグローブタッチに関するルールについて解説していこうと思います。
ボクシングのルールでグローブタッチに関することが書いてあるのは以下の条項です。
「両選手は第1ラウンド開始前および最終ラウンド開始直後レフェリーの指示に従いスポーツマンライクに握手すること。これ以外は握手してはならない。これに反して相手方を加撃した場合は反則打とみなされる」
えっ?となる部分がいくつかあると思いますので順番に解説していきます。
まずこの条項での「握手」というのがグローブタッチのことを指します。
ボクシンググローブをつけているので普通の握手はできないので、代わりにおこなうグローブタッチは握手と同じ意味ということですね。
先ほどボクシングにおいてグローブタッチはやってもやらなくてもいいと言いましたが、絶対やらないといけないタイミングが2回あります。
まずひとつめが「第1ラウンド開始前」です。
これは試合前にレフェリーが両選手にルールなどを説明するタイミングのことです。
試合前にお互いの選手が向かい合い、レフェリーがルールなどを説明して最後にグローブタッチをする、という流れですね。
最初のゴングがなった後のタイミングは「第一ラウンド開始後」となるのでグローブタッチする必要はありません。
もうひとつが「最終ラウンド開始直後」です。
開始直後なのでインターバルが終わってゴングがカーンと鳴ってからのタイミングですね。
ということでボクシングにおいて「第1ラウンド開始前」と「最終ラウンド開始直後」は必ずグローブタッチをしないといけないということです。
これらのタイミングでグローブタッチをせずに相手を攻撃した場合は反則打とみなされます。
ここまではふぅ~ん、そうなんだ~といった感じですが驚きなのはこの次の部分。
「これ以外は握手(グローブタッチ)してはならない」
えっ!?
びっくりですよね。
つまり「第1ラウンド開始前」と「最終ラウンド開始直後」以外はグローブタッチをするかは自由なのではなく、「してはいけない」だったのです。
ボクシングを観ていると毎回ラウンドの開始直後にグローブタッチをするボクサーもいますが、あれは反則行為となるのです。
でもグローブタッチをして反則をとられたり減点になる場面はあまり記憶にないですよね。
そこに関しては悪質な反則ではないしわざわざ流れを止めて注意するほどのことでもないといった感じのようです。
ルールじゃないのになぜするのか?
ボクシングのルールにないにも関わらず毎ラウンドのようにグローブタッチをする選手が多いのはなぜでしょう?
これはただ単に「普段のクセ」でおこなっているボクサーが多いと思われます。
普段のボクシングの練習ではミット打ちではトレーナーに、スパーリングでは相手に対して「よろしくお願いします」とグローブタッチをします。
練習相手は敵ではなく同じボクシングジムの仲間なのでこれは当然ですし、なにもおかしくありません。
このクセが試合でも出ているのではないかということです。
別に反則をとられないのならわざわざ直す必要もありませんしね。
また、ボクサーによってはプロとしての立ち居振る舞いを、ということでグローブタッチをしている人もいるかもしれません。
ボクシングも歴史を重ねるにつれてスポーツとしての要素も強くなってきました。
観客視点だと、しっかりとスポーツマンシップにのっとって試合をしているボクサーのほうが好感が持てますよね。
グローブタッチを拒んだ試合は?
ボクシングでグローブタッチをしなくてはならないのは第1ラウンド開始前と最終ラウンド開始直後のこの2回。
ということは逆に言えばこれ以外の場面ではグローブタッチを拒んでもOK、その隙をついて攻撃をしてもOKということです。
グローブタッチではありませんが、不意打ちという意味で有名なボクシングの試合はメイウェザー対オルティスの試合でしょう。
メイウェザー選手に対するオルティス選手のバッティング(頭突き)で試合が中断。
再開するタイミングでオルティス選手がお詫びのハグをしようとした瞬間、メイウェザー選手の左フックから右ストレートのコンビネーションパンチが炸裂。
そのままKO決着となりました。
この場面はレフェリーの試合再開のコールがあいまいだったこともありパンチは有効なのか?と議論にもなりましたが試合は再開していたという判断でメイウェザー選手のKO勝ち。
バッティングが明らかに故意としか思えない動きだったのでメイウェザー選手も相当ムカついていたんでしょうね。
無防備な相手への不意打ちということで「ボクシングにおいて試合中はいかなるときも油断してはいけない」という擁護の意見、「メイウェザーの卑怯者」という批判と賛否両論でしたが、ルール違反はしていないのでもちろん結果が覆ることもありませんでした。
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