ボクシングが実は世界最古の格闘技だったというのはご存知でしたか?
歴史のある格闘技や武道と言って思い浮かべるのは、空手や柔道なんかだと思います。
諸説ありますが、空手の歴史は大体600年ちょっと、柔道は140年ほどです。
そして、空手や柔道を含むアジア圏の格闘技・武術の元祖と言われているのが、インドのカラリパヤットという武術です。詳細な年代は分かっていませんが、一説によると2000年以上もの歴史があるのだとか(実はあの”ブッダ”もカラリパヤットの達人だった説もあるそうです)。
皆さんご存知タイの国技でもあるムエタイも、このカラリパヤットから発展して出来たとも言われています。
ただ、ボクシングの歴史はそれらを軽く凌駕します。
ボクシングの始まり
ボクシングの始まりの歴史に関しては諸説あるようですが、紀元前4000年、3000年頃というとんでもなく古い記録も残っています。
出来た当初は戦場格闘技として、現在のボクシングとはかけ離れていました。
現在のようなボクシンググローブは存在せず素手で殴り合い、なおかつレスリングの要素も組み込まれたいわゆる総合格闘技のような感じです。
いや、他にも目つぶしや頭突き・噛みつきなどもオーケーとなんでもありだったみたいなので総合格闘技と一緒にしてはいけないこもしれませんね。
死傷者が出るのは普通で、むしろどちらかが死ぬまで戦わせるということもあったようです。
それでも紀元前600年ごろには古代ギリシャでオリンピック競技として採用されていたそうです。
ただ、前述のように死傷者も出る危険な格闘技だったため禁止となってしまいました。
ルールの変革
その後1600年ごろにボクシングが復活し、イギリスを中心に徐々に人気が広まっていきます。
しかしこの時期も現在のボクシングとは違ったなんでもありのものでした。
ここから少しづつ「ボクシングの正式ルールを定めよう」という働きも大きくなり、なんでもありではなく禁止事項などもつくられていきます。
ですが今のように世界団体があるわけではなかったので、なかなか浸透はしませんでした。
例えるならトランプゲーム「大富豪」のルールが地元によってちょっと違う…みたいな感じでしょうか。
ちなみにこの時期に賭け事の対象にもなっていたボクシングですが、八百長が問題になり一時的に禁止になったりもしていました。
現在のルールの基礎が出来上がったのは1800年代中期ごろで、ボクシンググローブ着用やラウンド制といった現在のルールと近い取り決めが制定されました。
他にもダウンして10カウント数えられたらノックアウトとなったり、今まで有効だった投げ技なども禁止となりました。
ちなみにこのルールの名前を「クィーンズベリー・ルール」と呼びます。
現在
1900年代に入ってボクシングがラジオやテレビなどでも放送されはじめます。
日本にボクシングが伝わったのもこの頃だと言われています。
そこから日本人の選手も出てきて1928年に初めて日本人ボクサーがオリンピックに出場。
1952年には初の日本人世界チャンピオンが誕生します。
こうして日本でもボクシングの人気がどんどん高まっていき、プロボクサーも増えて、ボクシングジムも増えて、そして現在に至ります。
ここ最近でも21世紀に入ってから女子のプロボクシング王座が設けられたり、オリンピックでも女子ボクシングが正式種目になったりと歴史は着々と変化しています。
歴史をみると昔は戦いそのものだったボクシングが徐々にスポーツへと変わっていき、今では試合に興味がなくても運動目的でボクシングジムに通う方もたくさんいらっしゃいます。
何千年もの歴史を経て、現代に受け継がれてきたボクシングの最先端に私たちは立っていると思うと、なんだかワクワクしてきませんか?
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